セレックシステムとは・・
2013年5月よりセラミックの歯が院内でCAD/CAMという方法により設計、製作(セレックシステム
https://cerec-style-beauty.info/)ができるようになり多くの方に喜ばれています。状況やケースにもよりますが、虫歯の除去から2時間程度で完成したセラミックの修復物を歯に接着することが可能(即日セラミック修復)です。2020年3月より最新式のプライムスキャンという歯の型を採る器械に変わってます。
CAD/CAM(Computer Aided Design/ Computer Aided Manufacturing)とは、コンピュータによる設計と加工・製作の技術のことです。
30年以上前からドイツにて研究開発が進められ、近年デザインソフトや加工精度が著しく向上し導入を決めました。聞くところによると、アメリカの歯科医院では日常診療でOne day treatment(即日・修復治療)が普通に行なわれているとのことです。具体的な手法は下記のとおりです。
虫歯を除去します
↓
神経に近い部分を保護剤で覆い歯の形を整えます
↓
歯の型どりを特殊な3Dカメラ(動画)で撮影します
↓
歯科用CAD/CAMシステムにより設計・削り出しを行ないます
つまりパソコンのモニターに映し出される画像上でつめ物やかぶせ物を設計デザインし、そのデータをセラミックブロックを削る機械に伝送しブロックを削り出し、セラミックの歯を完成します。
ブロックから削り出すセラミックの特徴は高密度で均一に焼き上げたセラミックブロックから製作するので質は常に一定です。通常は歯科技工士が何度もセラミックを築成し焼き上げ(窯で繰り返し焼きます)ますので仕上がりにばらつきがでます。が、細かい色合わせは歯科技工士が手を加えた方が良い場合もあります。
また当院で使用しているセラミックブロックはたいへん粒子が細かいため仕上がりがなめらかで歯垢がつきにくくなっています。硬さも天然の歯のエナメル質とほぼ同程度で、歯への接着も近年、接着材料の研究開発が進みセラミックのようなメタルフリー修復(金属を使わない治療)を後押ししています。気になるコスト面でも製作上、歯科技工士への委託がない分従来より安価にセラミックの歯を提供できるようになってます。
一度治療した歯はなるべく長持ちさせたいとは誰もが思うことです。しかし現行の日本の歯科医療制度(健康保険)では使用できる材料に限界があり難しいです。本来はお口の中の虫歯になるリスク(虫歯になりやすいかどうか)を細菌検査にて調べてから、可能であれば予知性の高い生体に安全な材料で治すのが正しいと考えています。
最新式のセレック(プライムスキャン)システム
※セレックシステムの製造は、ドイツのデンツプライシロナ社です。
従来の金属を使用した歯科治療 ~金属アレルギーについて~
従来の治療法の金属で歯をかぶせたりすると唾液が電解液となり、異種金属間に電気回路が形成され電流が流れます。そのとき電気的に不安定な金属がマイナス極となり、電子を放出しながら酸化し金属イオンが溶け出します。また、1種類の金属であっても口腔粘膜がプラス極、金属がマイナス極となって同様のことが起きます。溶けだした金属イオンは身体内に取り込まれ、場合によってはアレルギー症状がおきます。
このような環境下で電気的に安定している金属は常にプラス極にしかならない金(Au)やチタン(Ti)です。一方、健康保険で多く用いられている金銀パラジウム合金、銀合金、アマルガム(水銀のつめもの)はマイナス極となるため前述のように遅延型アレルギーを引き起こす可能性があります。
生体内に取り込まれた金属イオンは遺伝子レベルから反応し、その正常な読みとりや複製の働きを阻害して、その結果細胞に異常が発現し、その細胞が所属する臓器を侵し、臓器障害そして個体に影響が及ぶと考えられてます。
このような事実があるため可能であれば金属は必要がなければ使わない方が良いだろうというのが当院の考えです。しかしながら、歯科治療の全てをメタルフリーで行うにはまだ難しいのも事実です。したがって使用する場合には生体親和性(biocompability)の少しでも優れたものをfirst choiceすべきだと常々考えています。
審美歯科 ホワイトニング
本来はご両親からいただいた天然歯をケアするのが一番だと思います。しかしながら不幸にして失ってしまった場合でも現在ではさまざまな方法で本来の歯に近づけることが可能な時代です。セラミックの歯だけでも状態に応じて数種類あります。ご希望やご予算に応じて複数のパターンを提案させていただきます。
また、「歯を白くしたい」といっても現代ではたくさんの方法があります。一時的に塗るタイプのものから歯自体を薬剤にて漂白するものまで、さらに歯への侵襲度にもよりますが表層だけ一層薄く削ってセラミックでできたベニヤ状のものを貼り付ける方法、完全に歯を削りセラミック冠を被せるなどさまざまです。
きれいなセラミックの歯を被せることが審美歯科ではありません。もし被せるだけでよいというのならば審美歯科医はパーツやさんになってしまいます。
どんなにすばらしい形や色彩で審美的修復をしたとしても、あごの動きや咬み合わせを考えずにおこなったら、大失敗です。
とくに前歯の審美的修復(回復)は、確実な咬み合わせ状態の確立があって、初めて成功します。
前歯と奥歯(臼歯)のハーモニー(調和)がとれてることが非常に重要です。