テレスコープ義歯と保険の入れ歯との違い・・
健康保険適用の入れ歯の一番の欠点はあごの骨に対してほぼ垂直に生えている歯にばねをかけ、歯を水平方向に揺さぶり少しずつ歯を引き抜く方向へ向むかわせてしまうということです。
さらに最も大切な上下のかみ合う歯の咬む面をばねが横断し、しっかりとしたかみ合わせをつくるのを邪魔してしまい最良なかみ合わせを構築できず、さらに審美性をも損なうということです。
インプラントに不安を感じる方
またインプラント治療に不安を感じる方・インプラントが怖い方、そのような方たちに向いている義歯治療のひとつとして、テレスコープ義歯システムがあります。
テレスコープ義歯とは、わかりやすくいうととりはずしのできるブリッジのような入れ歯で維持装置がばねではなく茶筒の原理を応用した二重冠(内・外冠といいます)の入れ歯です。
テレスコープ義歯システム
入れ歯先進国ドイツで130年以上歴史のあるテレスコープ義歯システムは、さまざまな欠損状態の歯や歯ぐきの状態に対し下記の数種類のテレスコープで対応しています。コーヌスクローネ、レジリエンツテレスコープ、リーゲルテレスコープ、アンカーバンド、CSP(シリンダーテレスコープ)などなど。
本来は症例によって使い分けをしていくのが正しいテレスコープ義歯システムです。しかしながら、日本では全ての症例をコーヌステレスコープだけで行なうということが行われるているのも事実です。一種類のみのテレスコープですべての症例をカバーするのはかなり無理があります。
わたしはドイツでも実際に治療を行っていた元日本歯科大学教授稲葉 繁先生指導のもと多くの症例を見学させていただき講義・実習を受け、症例ごとに治療方法を相談検討し当院でたくさんの患者さんの治療を行ってきました。
「いまの入れ歯では上手く咬めない」「合う入れ歯をつくりたい」「インプラントは嫌だけどばねの入れ歯も嫌だ」・・といったお悩みをお持ちの方、初期費用はかかりますが当院のテレスコープ義歯システムを検討されてはいかがでしょうか。
もっとも良くないのは歯がないままにしておくことです。特に奥歯でものを咬めない状態にすると認知症の半数を占めるアルツハイマー型認知症になるリスクが上がりますのでご注意ください。
テレスコープ義歯システムの実際の治療症例はこちらです。
一例として模型上で製作したリーゲルテレスコープ義歯のケースを下記に示します。
上あごの奥歯2本がなくなってしまったというケースです。リーゲルテレスコープの土台となるべき歯は原則として神経のある歯をつかいます。
歯にかぶせる冠(内冠といいます)を横揺れ防止&閂(かんぬき)の維持装置を兼ねたシュレーダゲシーベを付与し製作します。
完成後の義歯になります。ご覧のとおり健康保険適用の義歯と違い「ばね(クラスプ)」がないため、かみ合わせもしっかり製作でき審美性・衛生面でもたいへん優れています。
義歯の取り外しは舌側にある閂(かんぬき)を開けてはずします。