知覚過敏
テレビで「知覚過敏(ちかくかびん)にはシュミ○ク○」という言葉を聞いたことのある方も多いと思います。でも知覚過敏てなんだろう?どういう状態のことをいうのか正しく知っている方は少ないと思います。
知覚過敏とは虫歯でもないのに歯がしみる状態をいいます。
自覚症状として多い訴えが
「つめたいのがしみる」
「はぶらしをあてると痛い」
「つめでひっかくと痛い」
などです。
原因としては以下のことが考えられます。
- 歯周病で歯ぐきが下がり歯の内側にある象牙質が露出してしまう場合。
- 象牙質が露出してなくてもしみる場合は、食いしばる癖や歯ぎしりで歯にひびがはいったり、表層のエナメル質がはがれ象牙質がでてきてしまう場合。
- 歯みがきの回数が多かったり、力が強かったり、硬い毛の歯ブラシを使ったりなどのオーバーブラッシングによる機械的なダメージが原因でおきる場合。
- かみ合わせによる不調和が原因でおきることもあります。
痛みの出る機序としては以下のような仮説(動水力学説)が考えられてます。
象牙質の中には歯の神経の枝である象牙細管という管があり、歯の神経のおおもとである歯髄につながってます。管の中は液体で満たされていて、冷たいものを食べて液体が冷えると液体が縮み、酸っぱいものを食べるとそれを緩和するために液体が動きます。このような現象を神経が痛みと感知してしまいます。これが知覚過敏の原因といわれてます。
治療方法には原因・症状の程度といった個人差が大きいのでいくつかあるなかから選択していくことが多いと思います。当院で行っている代表的な治療法は以下のとおりです。
- 薬剤およびコーティング材の塗布
- 知覚過敏に特化した歯磨きペーストの使用
- 歯周病の治療
- スプリント(マウスピース)による治療
- レーザー照射*による治療
- 神経をとる(抜く)治療←上記の処置をおこなっても症状の改善がみられ ないときのみほかには、かみ合わせの調和がとれていないと判断したときのみ「咬合調整」をおこなうこともあります。
*レーザー照射治療は健康保険適用外となります。
酸蝕症
酸蝕症(さんしょくしょう)は最近注目されているもので、わかりやすく言うとpH(水素イオン指数)の低い酢のような酸性のものを飲食しすぎると歯が溶けてしまう疾患です。近年、食生活習慣に変化が認められ市販飲料の70%が歯のエナメル質が溶け出す臨界pH5.5を下回る数値のものが多くなってます。炭酸飲料、ジュース、ワイン、野菜やフルーツ、お酢などには、歯の表面のエナメル質を軟化させ、エナメル質がすり減る原因となる酸が含まれています。
逆流性食道炎のような胃酸の影響で起きる場合もありますが、現代では飲食物によるものが主と考えられています。たとえば、健康のために飲み続けてきた黒酢の影響や過度な炭酸飲料の摂取などがあげられます。
治療方法としては知覚過敏や冷たいものがしみるといった場合には主に対症療法を、歯の破折といった実質欠損を伴う場合は詰め物で対応します。経験上身体によいと思っていたものが歯にはよくなかったということをチェアサイドでお話しすると皆さん驚かれますが、酸蝕症こそ生活習慣病そのものだと言えます。
参考までに削れてしまっている歯をきちっと定義すると以下のようになります。
- 歯と歯の接触によって生じ、虫歯の原因菌が関与しない歯の表面の損失は「咬耗」です。
- 歯以外の物理的な方法(歯ブラシ)によるすり減りで起きる場合は「摩耗」です。
- 細菌が関係しない酸による化学的な歯の溶解が「酸蝕症」です。
TCH
TCHとは「歯の接触癖(Tooth Contact Habit)」のことをいいます。最近メディアでも少しずつ取り上げられているのでご存知のかたもいるかもしれませんね。
通常歯の接触は一日10分から20分程度です。ものを食べてるときには歯の接触はありません。ものを飲み込むときに歯は接触をします。この時間をトータルすると前述の時間となります。何もしていないとき上下の歯の接触はありません。たとえ口を閉じていたとしても上下の歯は触れ合っていません。
ところが最近の調査研究で、上下の歯を接触し続ける人たちに顎関節症患者さんが多く含まれていることがわかってきました。
歯は消耗品です。(もちろんわれわれ人間の身体はすべてが消耗品ですが・・。)歯が接触することによって歯は消耗します。TCHのある方たちはない方たちと比べると何倍も早く歯のすり減りがおきます。その結果かみ合わせの変化やそれに付随して起きる顎関節症症状、知覚過敏症状、歯の破折さらには歯周病の進行悪化などさまざまなことが起こりやすくなります。