むし歯予防の口腔ケア
歯科診療の2大疾患である虫歯と歯周病では口腔
ケアのポイントが違います。どちらも細菌による
感染症であるという意味では同じですが、細菌の
立場からするとターゲットが歯そのものか、歯を
支えてくれているあごの骨(歯槽骨)かです。
むし歯予防に最も効果的なのはフッ化物配合歯磨
剤であるとの見解をWHO(世界保健機構)もだし
ており、フッ化物配合歯磨剤は濃度依存的にむし歯
予防効果が高くなることが明らかです。
WHOのテクニカルレポートによるとフッ化物濃度
が1000ppmを超えると500ppm上昇するごとに
むし歯予防効果が6%高くなることが報告されて
ます。
また濃度のほかに歯磨剤の使用量とブラッシング
の時間も重要です。
使用量としては1000ppm配合の歯磨剤では1回
のブラッシングで1g(長さが1.5cm程度)以上
使う必要があります。
フッ化物が歯や唾液中のカルシウムと反応し歯に
取り込まれるためには一定の濃度が必要で、唾液
によって希釈されてしまい濃度が低下するため
300ppm以上ないとフッ化カルシウムは形成され
にくいと言われてます。
また、歯の表面にフッ化カルシウムを形成する
のに必要な時間は2分程度であることが知られて
いますので、短すぎるブラッシングタイムだと
フッ素の定着が期待できません。