顎関節症の分類と治療
学会で顎関節症は、次のⅠ~Ⅴ型の5つに分類されます。
基本的には、下へ行くほど重症だと思ってもらって良いと思います。(Ⅴ型を除く)
【顎関節症Ⅰ型:咀嚼筋障害】
・咀嚼筋障害を主徴候としたもので顎関節部には障害がない
【顎関節症Ⅱ型:関節包・靭帯障害】
・関節円板の位置や動態異常はないが後部組織・関節包・靭帯の損傷を主徴候としたもので顎関節部に痛みや運動制限がある
【顎関節症Ⅲ型:関節円板障害】
・関節円板の異常を主徴候としたもの
【顎関節症Ⅳ型:変形性関節症】
・顎関節の下顎頭の変形を主徴候としたもの
【顎関節症Ⅴ型】
・Ⅰ~Ⅳの顎関節症に該当しないもの
通常対応可能なのは上記のⅠからⅢまでのものです。したがって症状からどのタイプに該当するかによって治療方法が決まってきます。
またどこまでの治療を望むかによっても治療方法、期間、費用も当然かわってきます。
最近では咬み合わせと顎関節症の関連性は関係がありませんとうことを言ってる人も多くいますが、ただしい咬み合わせの検査をしての意見であればよいのですが多くはそうではないと思います。
現実に大学病院でも「歯と歯をなるべく合わせないでください」や「硬いものを食べないでください」といってるということは「歯と歯を合わせるとまずいですよ」、つまり咬み合わせると顎関節症が進みますよということですから、明らかに咬み合わせが関係しているのです。もちろん咬み合わせ以外が原因の場合もありますし、その鑑別は非常に重要です。
私の師匠曰く大学病院で「フランスパンのような硬いものは食べないでください」といわれたと聞き、「じゃあフランス人はどうするんだ?」と言っていました。フランス人は顎関節症になれませんね、・・おかしな話です。